29歳で教員やめて会社員に転職した体験談

退職の切り出し方、退職→転職の流れ、転職活動、転職後のお金事情など、今後も記事増やします。

元中学校教諭が7年間の現場経験をもとに紹介!すぐできる!子どもをスムーズに動かす指示のコツ

●指示を出すときの基本の大原則「一時一事の原則」

指示を与えるときの基本原則です。

一時に一つの事柄の指示をする。

同時に2つ3つの指示を出さない。

大人なら大丈夫ですが、子どもは混乱してしまいます。

 

●きれいに整列した状態を維持したまま移動させたいとき →具体的な数値で「中また2歩左にずれてください」

生徒を整列させた後で、列をきれいに保ったまま移動させるコツがあります。

コツ:「中また2歩左にずれてください」などと、具体的な数値で指示をする

生徒を整列させた後で、少し場所をずれてほしい時って結構あります。
例えば、後から他のクラスがやってきた時や、
集合場所で早く来た生徒たちが整列して待機していると雨が降り出してきた時など。
そんなときに使えます。

●グループごとに違う場所へ移動させたいとき →指示を出したら、都度移動させる。

生徒をグループごとに違う場所へ移動させたいときに、スムーズな指示の出し方のコツがあります。

コツ:指示を出したら、都度移動させる。

例えば、文化祭などの行事の準備や片付け、地域清掃などで使います。

こんなふうに指示を出します。

①「体育委員立ってください。(生徒が立つ。)回れ右。(生徒が回れ右する)山田先生のところへ行ってください。(山田先生の引率で生徒が移動。)」
②「美化委員立ってください。(生徒が立つ。)回れ右。(生徒が回れ右する)東トイレへ移動してください。(生徒が移動)」
③「図書委員と厚生委員立ってください。(生徒が立つ)回れ右。(生徒が回れ右する)大橋先生のところへ行ってください。(大橋先生の引率で生徒が移動)」
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誤った例
「体育委員は山田先生、美化委員は東トイレ、図書委員と厚生委員は大橋先生のところです。はい。じゃ移動。」
→これだと、生徒は混乱しやすいです。無駄な時間がかかってしまいます。

急がば回れですね。

●イス並べを生徒にやらせるときの段取り →教員で縦と横に基準の列を1列ずつ作っておく

卒業式などで生徒にイス並べをさせるときに、スムーズに作業を進めるコツがあります。

コツ:教員で縦と横に基準の列を1列ずつ作っておく

イス並べの時間が始まる前に、教員で体育館にあらかじめ1列ずつ基準を作っておくと良いです。(時間割の空き時間、体育の授業との兼ね合いによる)

何もない状態で、生徒にイスを並べる場所を伝えるのはなかなか難しいです。
しかし、基準のイスが並べてあれば、少ない説明で確実にイスを並べさせることができます。
横の1列は1番前の列、縦の列は真ん中らへんの1列を並べておくとわかりやすいです。

また、生徒への指示とは関係ないですが、並べ終わって生徒も下校した後、完成した座席をデジカメで撮影して校内の共有フォルダに入れておくと良いです。
来年度、準備をするときに参考になります。
撮影するコツとしては、遠くや上の通路(キャットウォーク)から全体像を撮影+座席の端っこや1列目を体育館のラインと一緒に撮影。

●広い場所で指示をするとき →整列させた後、生徒を座らせて話す

運動場や校外などの広い場所で指示をさせるときに、生徒に確実に指示を伝えるコツがあります。

コツ:指示を出す前に、まず生徒を座らせてから教師が話し始める。

少しの指示だと、ついつい生徒が立った状態のまま指示を出してしまいがちです。
しかし、それだと1列目以外の生徒に指示が行き届かず生徒をスムーズに動かすことができません。
まず、生徒を座らせてから話始めることで、すべての生徒に確実に指示が伝わり、無駄なく生徒をスムーズに動かすことができます。


●レクのルールや教科の授業のグループ活動などの手順を説明するとき →生徒に協力してもらい、デモンストレーションを見せながら説明する

レクのルール(借り物競争など少し複雑なルールのゲーム)や、授業のグループ活動などの手順を説明するときに、生徒に確実に指示を伝えるコツがあります。

コツ:生徒に協力してもらい、デモンストレーションを見せながら説明する。
  ※教科のグループ活動などの場合、デモンストレーションを見せた後、ダメ押しでもう一組生徒を選び、先生の説明なしでやれるかどうか全体で確認して、必要であれば補足説明を全体でしてから活動に入ると確実です。

1.学年レクや生徒会レクの場合

中学校なら委員長会(室長会)や生徒会の生徒が企画すると思います。
当日競技を始める前に生徒がルール説明すると思います。そのときに、口頭で説明するだけでなく、別の生徒が実際にやっているところを見せながら説明することで、理解が深まりルールを確実に伝え、スムーズに競技を進められます。
ドッジボールなど、普段体育の授業でやり慣れている競技はたぶん口頭説明だけで大丈夫です。普段やり慣れていないものや、オリジナルのルールなどが追加されている場合は、イメージが湧きづらいため、デモンストレーションを見せると良いです。
色々な理解力を持つ生徒がいるため、新しいゲームは口頭説明だけでは理解ができず、そのまま競技にうつると戸惑い、無駄な時間が多くなってしまいます。

2.教科の授業のグループ活動などの手順を説明するとき

教科の授業のグループ活動やペア活動の手順を説明するときも、デモンストレーションを活用します。

ペア活動を例に紹介します。

<教師がペア活動を生徒全体に説明する>(隣同士ペア活動を行う場合)

①教員が活動の目的やゴール、簡単な流れを端的に説明する

②じゃ、ちょっと1列目のAさん、Bさんを例に説明します。
 ちょっと立ってもらっていいかな?(AとBが立つ)

③列の右側に座っている人、手を挙げてください。(生徒が手を挙げる)
 Aさんと同じことをあとでペア活動でやるので、よく見ておいてください。
 列の左側に座っている人、手を挙げてください。(生徒が手を挙げる)
 Bさんと同じことをあとでペア活動でやるので、よく見ておいてください。

④じゃ、まずAさん、プリントに書いてある質問をBさんにしてください。(AがBに質問をする)
 では、Bさん答えてください。(Bが質問に答える)
 Aさんメモしてください。今回は練習なので、書かなくて大丈夫です。
 Aさん、Bさんはどのキャラクターだと思いますか?(Aが予想する)
 では、Aさん、Bさんに聞いてみてください。(AがBに聞く)
 で、今度は、BさんがAさんに質問して、Aさんが答えて、BさんがAさんのキャラクターを予想します。それで終了です。
 はい、ありがとうございました。拍手。

⑥では、今度はCさんとDさん、先生の説明なしでちょっとやってもらっていいかな?
 はい、じゃぁまず立ってください。
 で、まずCさんが何をするんだっけ?・・・
 はい、ありがとうございました。拍手。
 
※授業のペア活動やグループ活動の場合は、デモンストレーションを見せた後で、もう一度別のペアを当てて、先生の説明なしでできるかどうか全体の前で確認しておくと確実です。(上の例の⑥)
 先生の説明なしでできない部分があれば、それをもう一度全体で補足説明してから活動に入ることで、無駄な時間なくスムーズに活動を進められます。
 一度活動をスタートしてしまうと、再度補足説明ためには、もう一度全体の活動を止めなくてはならず、無駄な時間がかかるからです。